〔教育長 荒木 隆君登壇〕
6
◯教育長(荒木 隆君) おはようございます。
松島議員の不登校問題に関する御質問にお答えいたします。
1点目の、
古賀市内の不登校の子どもの数でございますが、不登校の定義は、年間30日以上の
長期欠席者で、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは
社会的要因、背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にある者とされています。その不登校の数は、7月末現在、小学生4名、中学生19名で、総計23名となっており、昨年度の同月と比較して11名の減となっております。
2点目。不
登校児童生徒の数の推移でございますが、平成12年度は総計32名、平成13年度は総計52名、平成14年度は総計51名、平成15年度は総計62名となっており、昨年度までは、残念ながら増加の傾向にあると言わざるを得ません。
3点目の、不登校の原因についてでございますが、不登校の実態や背景、要因などは一様でなく、むしろ一層複雑化、多様化しております。各学校の
月例報告書から、中学校は「登校の意思はあるが、体の不調を訴えて登校できない(不安などの
情緒的混乱)」が最も多く、次は「無気力で学習意欲に乏しい」、また「
友人関係や教師との
人間関係など(
学校生活上の影響)」が不登校の主な理由となっております。小学生の場合は、「何となく登校せず、欠席を繰り返す」が最も多く、次は「不安など
情緒的混乱」が不登校の理由として挙げられております。
4点目の、不
登校児童生徒への
取り組みでございます。不登校への対応は、
学級担任一人に任せっきりにすることなく、組織的に取り組むことが重要であり、各学校では校長のリーダーシップのもと、不
登校対策委員会を中心に
指導体制を整備しております。また、不登校の
具体的対応は、その
児童生徒の状況等により異なりますので、不
登校対策委員会で個別の指導、支援計画を作成し、
マンツーマン方式で家庭訪問をして、本人や保護者と会ったり、電話や
関係機関と連携したりして、不
登校児童生徒への対応をしております。
教育委員会としましては、
適応指導教室「あすなろ」で不
登校児童生徒に対し、興味、関心及び能力に応じた弾力的な指導及び
相談事業を行っております。また、
スクールカウンセラーや
ヤングアドバイザーの活用も図っております。ひきこもりの
児童生徒については、県の
SSN事業、
スクーリングサポートネットワークと呼んでおりますが、を活用したいと考えております。
5点目。今後の
取り組みでございますが、学校には、不登校の兆候をできるだけ早い段階で察知し、
早期対応によって不登校を未然防止するという予防的な
教育相談体制づくりや、
関係機関との連携や
協力体制づくりを確立するよう指導しております。その1つとして、小中の連携による未然防止の
取り組みも進めたいと考えております。また、学校における
取り組みが効果的に行われるよう、本年度、
適応指導教室の整備充実を図っており、今後さらに、
学校教育課を中心に、学校、
適応指導教室、
少年センター等が共働して、不登校の解消に向け効果を上げる方策を検討してまいります。
6点目の、不登校問題の背景といったことでございますが、
文部科学省の調査結果では、2003年度の不
登校児童生徒数は、全国で12万6,212人で、全
児童生徒に占める割合は1.15%であり、国、県を挙げてこの問題の解決に向けて取り組んでいるところです。ちなみに古賀市の割合は、1.06%となっております。
その原因についてはさまざまに論じられておりますが、直接的には、
子どもたちの
対人関係がうまくできないとか、忍耐力が身についていない等が指摘できます。また、学校に行かなければならないという義務感や、学校へ行かないことに対する
心理的負担感が薄れている傾向もあります。その背景として、
核家族化の問題や、
自然体験、
社会体験の不足があり、一方で、学校や教師がこれらの
子どもたちの実態や社会の変化に対応できていないことが挙げられると思います。この問題は、今日の教育界の最も大きな課題の1つであり、豊かな社会における教育の難しさが色濃くあらわれている問題であると考えております。
7 ◯議長(小山 利幸君) 松島君。
8 ◯議員(8番 松島 岩太君) 順次、質問を続けていきたいと思います。
古賀市における不
登校児童の増減の傾向がどちらにあるのかという質問の中で、現在は、前年度同月比で11名の減というお話ですけれども、基本的には32名、52名、51名、62名と増加の傾向にある。今教育長も言われたように、不
登校児童の定義という中で、もちろん定義づけられているんですけれども、それを定義づけられていない部分としての、潜在的な人数、不
登校予備軍というのを考えたときに、古賀市においても、もちろんこれ全国においてもそうなんだろうと思うんですけれども、恐らく、まだまだ、確かに定義の中では少し、全国的にも横ばいになった。例えば、古賀市の中では少し
減少傾向にあるというお話ですけれども、潜在的な人数、その不
登校予備軍を含めると、恐らく増加の傾向にまだまだあるのではないかというふうに推察します。少なくとも児童数との比率、パーセンテージだけを見ると、間違いなく増加の傾向にあるというふうにまだ考えているんですけれども、見解をお伺いしておきたいと思います。
答弁を求めます。
9 ◯議長(小山 利幸君) 教育長。
10
◯教育長(荒木 隆君) 最近の新聞報道で一番新しいといいますか、統計が発表されておりましたが、不登校については横ばいないしは微減ということでございまして、むしろ
校内暴力等の増加が心配だというような論調であったと思います。古賀市の場合、昨年度までは確かに、先ほど答弁申し上げましたようにふえてきておりますが、ことしは減るのではないかと私たちは期待しております。
11 ◯議長(小山 利幸君) 松島君。
12 ◯議員(8番 松島 岩太君) 私も、当然減ってほしいと正直に思っています。ただ、不
登校児童の定義の中に、例えば
保健室登校であったりとか、そういうような部分は、現状では含まれていない中で、少なくともその潜在的な人数というのは、まだまだ
減少傾向にあるのではないというふうに、私の方は思います。
不登校の原因を探るということが非常に難しいということは、私も十分理解できます。それぞれの児童は、顔も形も違うし、性格や育った環境も違う。不登校の原因が単純なものも、これはあるんでしょうけれども、
先ほど教育長が言われたように、複雑な要因が絡み合って、そういうような児童もいらっしゃる。その原因を聞きとめたとしても、その原因と不登校の
因果関係を検証することは、実は非常に難しいし、事実上不可能ではないか。
もともと人間は、
分類分けが好きな生き物だというふうに私は考えます。逆に言うと、人間は生理学的な限界から、
分類分けをしないと物事を把握できないから、
分類分けをしたがるんだというふうに思います。ただ、恋愛の例えば愛情診断みたいなもの、そういうものの
分類分けというのは許せても、不
登校児童の原因からなる分類というのは、気休めになっても、実は何の実益もないのではないかというふうに私は考えます。ましてや、不
登校児童の分類によるその対処法みたいなものは、害はあっても、私は何もいいことはないというふうに考えます。
私は、不登校の原因を把握することは不可能に近いし、その原因からなる分類化とかグループ分けみたいなものも非常に疑わしいというふうに思っています。それでも、実は昨今、本屋の前にはその手の本が氾濫しているし、また多くの人が、この子にはこのように接した方がいいとか、あの子にはこのような
取り組みが必要だと、そういう話が平然と語られているような気がします。教育長はこのような状況、つまりは、あえて言えば、不登校の
原因依存型対応マニュアル論みたいな、そういうものがちまたに横行しているような気がするんですけれども、このような状況をどのように理解されますか。答弁を求めます。
13 ◯議長(小山 利幸君) 教育長。
14
◯教育長(荒木 隆君) 今御指摘のように、非常に難しい問題でございまして、これがきちっと分類できれば、対症療法といいますか、対策もとれるだろうと思います。
それで、ちょっとお話し申し上げますと、一時、不登校はだれでも起こるし、不登校については、子どもが行く気になるまでそっとしてやらなきゃいけないということで、家庭も学校もはたからじっと、子どもの意欲が出てくるまで見守るという姿勢でいたんですが、こういった分類の中で、そうじゃない子もいると。とくにかく強く指導して、やっぱり引っ張ってでも学校に連れてきて、それで登校するようになる子どももいるということが出てまいりまして、こういった分類で子ども一人一人を分析することで、そういった面も出てきているわけです。ですから、あながちこれが無益であるということにはならないとは思うんですが。
ただ、そうしながらですね、非常にまた、間違うと、今度は逆にひきもってしまうということがありまして、まあ、最初に戻りますが、非常に難しいなということは感じております。ただ、先ほど出ていました、遊び非行型の不登校というのもあるわけでして、こういった子どもには、やはり、かなり強い積極的な指導も効果があるということは出てきております、したがって原因をきちっと、学校の方も、これとこれで、これは、この子はこのタイプ、これは、この子はこのタイプというふうに分けるということはかなり難しくて、幾つかの原因を重ねて書いてきているというような状況もあります。
15 ◯議長(小山 利幸君) 松島君。
16 ◯議員(8番 松島 岩太君) 以前、
同僚議員が
一般質問の中で質問されたときに、結局、国の
方針そのものも揺れ動いているんだと。こういうようなケースには、以前はそっと見守るというような形を主流に方針として打ち出していたのが、今教育長が言われたように、少し国の方針も変わって、しっかり働きかけをする。私は、実はやっぱり肝心なことが抜けているんだというふうに思っています。
マニュアル、
マニュアル、こういうケースにはこういうふうにする、こういうケースにはこういうふうにするというような話だけをしていると、何か肝心なことが抜け落ちるんではないかというふうに私は思っています。
古賀市の
取り組みについてお伺いしたいと思います。古賀市の
取り組み、
先ほど教育長が、るる、いろいろ申し上げられました。私は、結論から申し上げると、間違っていないと思います。間違っていないと思うんですけれども、同時にやっぱり正しくないんじゃないかというのが、私のメッセージです。もし仮に、今までの
取り組みが正しいのなら、やっぱり不
登校児童は減少しているはずだというふうに思います。まだやっぱり増加の傾向、確かにことし11名の減と言われてありますが、全体数として、その潜在的なものを含めたときに、まだやっぱり減少の傾向に向かってないんじゃないかというときに、何かがやっぱり正しくないのではないかというふうに私は感じます。確かに、平成11年から
取り組みを始められた
適応指導教室、平成12年以降充実を図ってきた心の相談室であり、
スクールカウンセラーであり、そのどれもが間違っていないと思うんですけれども、何かが正しくないのではないかというふうな感想を持っています。
これからの今後の
取り組みとして、さらに小中学校の連携を深める、それから当然いろんな形で
早期対応をいていくんだ、いろんな形で共働しながら対応していくんだ、それでも難しいという、私も難しいことよくわかります。ただ、繰り返して申しわけないんですが、今までの
取り組みが本当に正しいんだったら、不
登校児童はやっぱり減少するはずだと。で、まだやっぱり、減少の傾向に向かっているのか。まだ向かっていないのではないか、そういうふうに考えたときに、何か、何かが足りないような、何か核心の部分、そういうものが何かが足りないんではないかというふうに思うんですけれども、もう1度教育長の答弁を求めておきたいと思います。
17 ◯議長(小山 利幸君) 教育長。
18
◯教育長(荒木 隆君) 確かに、
松島議員も難しいということを繰り返しおっしゃりながらの御質問です。私も難しいというお答えを最初に申し上げておきたいんですが、要するに不登校になってからの対応というのは、
適応指導教室にしても、不登校の子どもを何とかほかの子どもと同じように学習させたり、遊ばせたりということで、将来的には学校へ適応させようということなんですが、なかなかこれは学校へ戻らない状況があります。したがって、先ほど小中連携と言いましたのは、小学校のときにかなり不登校の兆候があると最近言われております。つまり、続けて休むのではないけれど、ぽつぽつと休みが多い子どもについて、特に注意をして、指導をして、中学に行ったときに、中学校の先生に引き継ぐといったような形が大事なんではないかと思っておりますし、そういったことが1つ、不登校を出さないというか、不登校に一たんなったら、なかなか学校に行かないし、行っても、先ほどおっしゃいましたように、
保健室登校のような形でしかならないということ、出さないということを中心に今後やっていかなきゃいけない。
それは不登校の子どもに対する担任とか、
対策委員会の学校の中の指導ではなくて、日々接している担任とか
教科担任が、もっともっときめ細かくやっぱり子どもを観察して、悩みを聞いたりするような体制が必要だし、場合によっては、先ほどのタイプの1つじゃないですが、担任に対するアレルギーを起こしている子どもがいるわけですので、たくさんの教師と、子どもも選択するような機会を与えるというふうなことが考えられると。それは非常に難しいことで、それほどきめ細かくやってくれというふうなことは学校には指導はしているんですが、これをもう少し、やっぱり今後徹底していって、少しずつではあるけれど、不登校を減らしていくといったようなことに取り組んでいかなきゃならんというふうに考えているところでございます。
19 ◯議長(小山 利幸君) 松島君。
20 ◯議員(8番 松島 岩太君) ここからが本題です。難しいということは十分理解できます。十分理解できるんですが、それは笑えるような状況ではないというふうに、学校に行けない……。私は古賀市の
子どもたちに対する願いをしっかり持つ必要があると思います。
冒頭に申し上げましたが、私は古賀の
子どもたちがかわいい。かわいくてしようがありません。だからこそたくましく育ってほしい。たくましく生きるために、生きるための知恵を身につけてほしいと本当に思います。
子どもたちが大人になったときに、人生ってすばらしいと感じてほしい。すてきな恋愛をしてほしい。感謝する気持ちを忘れないでほしい。多くの仲間をつくってほしいし、たまには愚痴をいったり、くじけたり、それでもまた頑張ろうと思えるような、そんな大人になってほしい。どんな時代になろうとも、次の世代の
子どもたちにたくさんの願いを持てるような、そんな大人になってほしいと本当に思います。
今古賀市で取り組んでいることは、不
登校児童のケースによって、例えば強く働きかけたり、子どもの自主性に任せてみたり、間違ってはいないのかもしれませんが、どこか大人の願いが含まれていないような気がします。胸に手を当てて、本当に心の奥底からにじみ出てくるような願いを持つ、これが教育の原点ではないかというふうに思います。そして、その願いをそのまま児童に伝える、それが大事なんではないか。今どちらかというと、思いやりや優しさが先行して、それを乗り越える勇気というものを失ってしまってるのではないか。だれに遠慮しているのか。何に遠慮しているのか。それが何のためになるのか。その子のことを本気でかわいいと思っている大人がいる。その大人が、本気でその子に対して願いを持っている。何でその願いを伝えちゃいけないのか。この場合はこのように接した方がいいですよなんて、何で言われなきゃいけないのか。私には、必死さが足りなんじゃないかというような気がします。当たり前のことが当たり前のようにできないような
取り組みというのは、間違っていないんだけれど、そこがないと正しくないのではないかというふうに思います。
私の幼いころからの友人に、病院では躁うつの傾向があると診断されている友達がいます。私は、この友人に何でも言います。腹が立てば文句も言うし、だめだなのときは頑張らんかって本気で怒ります。だって友達だから、同じ仲間だから、ちっちゃなときから同じものを見て、同じように夢を語り、同じ時を過ごしてきた。だからこそ、そんな仲間だからこそ腹も立つし、励まし合ったりもする。これが当たり前なんじゃないかというふうに私は思います。よく専門家の人たちは言います。うつの傾向がある人には、頑張れっていう言葉を言っちゃいけないって。もう既に本人は頑張ってるからって。医者が、何かわからないけれど、何で思うこととか言いたいことを止められなきゃいけないのか。どんな権威がある先生だろうと、一般論で語られる必要があるのか。こんな時代だから傷つくときもあるし、たまたまその人だったけど、次は私かもしれないって。だからこそ、やっぱり言わないかんことは言わないかんのではないか。
私は、不
登校児童に関しても同じことだというふうに思います。親が子どもに願いを持つというのは当たり前のことだと思います。やっぱり、それを何で言わんのか。先生も一緒だと思います。その児童のことを必死になれば、頭で考えるとか、そんな余裕はないんじゃないか。例えば、高層マンションのベランダに幼い子が登っているとします。とりあえず、何も考えずに助けようとするんじゃないか。頭で何かを考えたり、その子が何を考えているかというのは後回しになるんではないか。もともとそんな余裕なんかないんじゃないか。これが必死になるということではないかというふうに私は考えます。また、子どもは大人のうそというのをすぐ見破るのではないかというふうにも考えます。本気で言っていない言葉や取り繕った言葉は、すぐに見破ってしまうんじゃないかというふうに思います。余裕がある態度や本音じゃないもの、本音で言っていない言葉、肌で感じるんではないか。大人が本気になって伝えようとするメッセージにこそ、私たちが失いかけている教育の意味というのがあるのではないかというふうに考えます。
そこで、教育長にお尋ねいたします。私は、不
登校児童にかかわるすべての大人が、その児童に対し願うこと、そしてそれを伝えるという至極当たり前のことを、その当たり前のことをするという必死さ、これが足りないというのが、私は問題なんではないかというふうに考えますが、これを教育長はどのように考えられますか。答弁を求めます。
21 ◯議長(小山 利幸君) 教育長。
22
◯教育長(荒木 隆君)
子どもたちがかわいい、古賀市の
子どもたちは本当に将来の宝だという思いは、私どもも
松島議員に勝るとも劣らないものを持っておりますし、また、それを教育していく責任を持っておりますので、その点は、今後ともいろんな形で指導なり施策を展開していかなきゃいかんと思っております。
御質問の点ですが、不登校の問題について、今、
松島議員のお説を伺ったわけですが、今の
子どもたちに対する願いと、不登校に対する今のような
取り組みというか、もちろんその熱意を持ってというのは大事なんですが、若干違うような気もするわけです。
子どもたちをたくましく、厳しく、自立していくように育てるという点については、これは一方では、非常に大事な、今の
子どもたちにとって大事なことだと思いますが、いつかもこの議会で答弁申し上げたように、例えば、熱意を持って、おまえ頑張れ、行こうと言ったときに、余計ひきこもる、あるいはリストカットをする、不登校の子どももいるわけでして、ですから、先ほど申し上げたように、そういった熱意は不登校になる前の
子どもたち、全体に対しての指導の中でやっていかなきゃいかんだろうというふうに考えているところでございます。とりあえずそういったお答えをさせていただきたいと思います。
23 ◯議長(小山 利幸君) 松島君。
24 ◯議員(8番 松島 岩太君) 願いを持ってほしい、願いを伝えてほしいというのは、どう思うかというのは、そのかかわっている大人たちがどんなふうな願いを持っているかによるんだと思うんですよ。全部が全部、どの不
登校児童に対しても、頑張れ、頑張れっていう願いを持っているかどうかって、そうじゃなくて、その子その子によって、かかわっている大人たちがいて、その子に対する願い。例えば、今はこの子は頑張っているから、もう少し、もう少しは、みんなで温かく見守ろうというんだったら、それも1つの願いだと思うんですよ。一律の、全部頑張れ頑張れって言ってるんじゃなくて、ちゃんとその子に向かい合って、その子に願いを持って、そういうことをきちんとやっぱりその児童に伝えなきゃいけないんじゃないか。こういうところからまずは始まってほしいというふうに私は思います。
今、社会全体が少し疲れているんだというふうに私は思います。で、どうしたらいいかわからない。かかわるときに何て言葉を発していいのかわからない、関係者のすべてが悩んでいる。当事者も含めて、すべての人がどうしていいかわからないという状態にあるということは、もう十分にお察しします。その痛みを十分お察しした上で、だからこそ、希望とか願いとかが必要なんではないかというふうに思います。当事者本人はもちろん、保護者の方々、学校の皆さん、皆さんが悩まれていることというのは十分に、十分にお察しします。それでも、学校の先生は勇気を持って、保護者に対していろんなことを指導する必要があるのではないかというふうに思います。
とても大変なことというのは十分理解できます。学校の先生本人が悩んでいるのに、しかも、確固たる対策がない。保護者の、本当にどうしていいかわからないという悩みも十分理解した上で、それでも児童に保護者の願いというのを伝えなさいと指導するのは、非常に酷なことだというのは私も理解できます。それでも、それが学校の先生の仕事であるし、それを統括する教育長の仕事だというふうに私は思います。もう少し言うと、それが公務員の仕事であるというふうに私は考えます。古賀に住む皆さんからお金をいただいて、教育のことは頼んだぞって言われている、学校教育に携わる人間の仕事なんではないかというふうに思います。
私は、この質問をするのにすごく悩みました。関係者の御苦労、悩み、無力感、その痛み、私なりに理解した上で、それでも私は勇気を持って言わなければいけないと信じています。私は、古賀市の皆さんに、古賀のことは頼んだぞと言われているんだから、私は勇気を持って言いたいと思います。古賀市に住まれている皆さんに、
子どもたちに対し願いを持ってほしい。保護者の方には、それでも
子どもたちに願いを持ってほしい。学校の先生は、
子どもたちに願いを持つと同時に、保護者の方々へ、保護者の方々が心から願うその願いを、
子どもたちに伝えるように指導してほしい。もし保護者が、行き過ぎた放任主義やネグレクトの傾向がある場合、しっかり子どもに対し願いを持つように指導もしてほしい。そして教育長は学校の先生たちに、保護者の方々に対し指導するよう、そのように指導してほしいというふうに私は考えますが、教育長のお考えをお伺いしておきたいと思います。
25 ◯議長(小山 利幸君) 教育長。
26
◯教育長(荒木 隆君) 確かに、大人の市民が子どもに対して持っている思いを
子どもたちに伝えていく、これは学校でも大変大事な仕事だろうというふうに思っておりますし、教師に対してそういったことを、もっと親の、あるいは
子どもたちに対する期待というものを熱く
子どもたちに伝えていくということについては、学校長を通じていろんな場面で、また指導はしていきたいと考えているところでございます。
この不登校ということに関して問題を考えますと、最後のところでお答えしましたように、やっぱり
子どもたちが育ってきた環境が非常に大きく変わっているというところが、非常に私たちは問題にしておりまして、ただ、今の子ども、そういうことですぐ効果が上がるというふうにはなかなか考えづらいんですが、長い目で見たときに、例えば社交性、
対人関係をきちっと保てるような体験、あるいは
自然体験、大人との関係あるいは異年齢の関係をもっとしっかりつくっていくといったことに関しては、私は最初から、地域ぐるみで教育をお願いしたい、地域で
子どもたちを育てるという意識でやってほしいということをずっと言ってまいりましたが、そういったこと。
その中でやっぱり、地域も子どもに対して熱くやっぱり語らなきゃいけないし、一緒に
子どもたちと遊んでいただき、
子どもたちを指導していただかなきゃいかんというふうに思っておりますし、そういった体験。それから
自然体験。自然の中でいろんな、特に生命の問題、自然に対する畏敬の念というふうなものを持っていくようなことは、やっぱり地域中心にやっていただかなきゃいかんだろうと。学校もそういったものを取り入れながらやっていくということで、私たちは、やっぱり
子どもたちを将来的にどういうふうに育てていくか、現在のいろんな問題の中から探りながらやっているつもりでございます。
松島議員がおっしゃったことについては、またいろんな折に、学校に対しては伝えていきたいというふうには考えております。
27 ◯議長(小山 利幸君) 松島君。
28 ◯議員(8番 松島 岩太君) 思いが伝わっていることも十分理解できるし、現場では、不
登校児童に対する対応というのは、こうやって総括的に議論するようなものでもなく、その場その場で、やっぱり必死な対応をされてあるということは十分、十分理解できます。それでも私は、不
登校児童に、それでもやっぱり学校に行ってほしいという願いを持っています。もともと学校はそんなに楽しいものでもないし、おもしろいものでもないのかもしれません。不
登校児童にとって、もしかしたら、学校は地獄なのかもしれません。それでも、学校に行ってほしいという願いを持っています。つまらないもの、楽しくないものの中に、ほんの少しの楽しいものを探す。そういう力を身につけてほしい。地獄の中に、クモの糸を探す知恵を身につけてほしい。苦しいけれど、乗り越える喜びを知ってほしい。頑張っても、頑張っても、できないことがある。そういうことを受け入れられる勇気を身につけてほしい。だからこそ、夢や希望を持って、そういうことが大事なんだということを、やっぱり体感してほしい。
学校の先生にも、私は願いがあります。現場が一生懸命やっているということは十分理解できます。それでも、不
登校児童を1人でもいいから減らしてほしい。学校を地獄と思う児童を1人でも減らしてほしい。地獄を少しでも減らしてほしい。できれば、学校に来て1つでも2つでも楽しいなと思えるような、そんな子どもをふやしてほしい。心を鬼にして言うと、それが先生の仕事です。それが、国民すべての願いであり、義務教育の意味であり、公務員の宿命だというふうに私は考えます。この願いによって、何が変わるかというのは私にもよくわかりません。だが、それでも、これが教育なんだというふうに私は思います。
子どもは親の背中を見て育つということがもし本当なら、大人が必死になっているその姿から何かを学ぶんではないか。それらのことをもう1度、十分確認し、それから古賀市が取り組む
取り組み、そういうことは、今やられていることというのは十分必要なことだし、今やられていることというのは決して間違っているわけじゃないし、特にそういう意味では、学校の先生たちに負担もかかる。そういう意味では、学校の先生たちに対するケアの充実というのは、やっぱり必要なことだというふうに私も思います。
本当であれば、ここでもう1回、教育長に最後、不
登校児童、これからどうするのか、どんなふうに取り組んでいくのかという話を聞こうというふうに思っていました。だけど、ある程度、思いの方は通じているし、少なくとも不
登校児童は減らしていってほしいという思いは十分に伝わったというふうに思います。
私が不登校の問題を取り上げたのは、少年の船に乗りたくないという1人の中学生に出会ったのがきっかけです。何度も向かい合って、一緒に行こうよ、頑張ろうよと言っても、顔も上げてくれませんでした。保護者の方に会い、話を聞いてみると、小学校のときは不登校だったと。今は中学校に通っているというお話でした。何度もスタッフが家に通い、それこそ必死になって、必死になって声をかけました。保護者の方に何度も会い、何度も励ましてくれって、必死になってお願いしました。結果として、それでもその中学生は船に乗ることはありませんでした。私は悔しい。もう悔しくて、悔しくて仕方がありません。もう少し時間があったら、もう少し保護者の方が後押ししてくれたら。それでもだめだったかもしれません。それでも悔しい。
沖縄の台風のすごさを見せてやりたかった。船酔いがどれほどすごいものか見せてあげたかった。仲間と力を合わすことがどれほど楽しいか体感させてやりたかったし、困難を乗り越えた感動という、その達成感を味わわせてやりたかった。参加しなきゃだめなんです。不参加じゃ何もしてやれない。1人の子どもの輝きが増すかどうかという、その可能性を奪ってしまった自分自身にも腹が立つ。心の底から、その子どもがかわいそうだというふうに思います。不登校はだめです。不登校だけはやめてほしい。これが私の願いです。
最後に、教育に携わる方々にも申し上げておきたい。今教育を取り巻く環境は非常に厳しいし、教師に対する保護者や世間の目は厳しい。冷たい。現場は制度、制度でがんじがらめになっている。不登校やいじめの問題はますます悪化し、給料の割りにはすごく忙しい。だけど、それでも私は、人を育てるということはすばらしい、人を育てるという職業はほかの仕事にはない立派な職業だというふうに私は思います。教育に携わる方に、古賀市の
子どもたちのことをくれぐれも、くれぐれもよろしくお願いして、私の
一般質問を終わります。
………………………………………………………………………………
29 ◯議長(小山 利幸君) 次に、前野早月君。
〔前野議員 登壇〕
30 ◯議員(4番 前野 早月君) おはようございます。議席番号4番、ごみ並びに古賀清掃工場担当、前野早月です。通告に従い
一般質問をいたします。
いまだに余韻の残るアテネオリンピックでは、日本選手が大活躍、頑張れ、日本と声を枯らした方も多かったと思います。そして、たくさんの場面で、メダルより大切なもの、価値あるものがある。ナンバーワンよりオンリーワンと教えられた大会でもありました。
しかし、60年以上前、オリンピックで活躍したと同じ多くの若者が、戦争で死んでいった事実を忘れることはできません。私を含め、戦争を知らない世代がふえ、戦争の悲惨さを語り継ぐ人が亡くなる中で、非戦、平和を願う声がかき消され、戦争への道に進むのではないかと、
子どもたちの未来が心配でなりません。
清掃工場問題から議員という立場を与えていただき、昨年は自衛隊のイラク派兵反対の意見書に賛成しました。庁舎の前には、「非核恒久平和宣言都市」の看板も見えます。広島に続き長崎と、平和を祈る8月が過ぎ、
子どもたちの未来に希望がつながるよう微力を尽くしたいと気持ちを新たにしております。
それでは、今回も2件の質問をいたします。
1件目は、舞の里多目的ふれあい施設用地の今後の活用について。この土地は公団が所有していた幼稚園用地が、幼稚園立地がなくなり、市が舞いの里多目的ふれあい用地として都市開発公社に先行取得を依頼して買い取った土地であります。保育所建設が中止になり、今後の土地活用について原点に戻ったと考えます。
1、先行取得を依頼したのはいつか。
2、先行取得の目的と施設内容はどのようなものであったか。
3、保育所用地としての計画がつくられたのはいつか。目的の変更は公社に申し出たのか。
4、今後の活用についての考え方は。
2件目は、古賀清掃工場の安全管理とコストの適正化のために。百聞は一見にしかず。7月に初めてダイオキシン連続監視装置を設置した所沢の東部クリーンセンターの視察に行ってきました。日本一の施設をつくったと自負していますという職員の言葉と、設置のきっかけが反対住民との話し合いからとの説明に、勇気と希望をもらって帰ってきました。同じ7月には、焼却、埋め立てが健康被害、資源損失、環境破壊、財政圧迫につながると、日本で初めてゼロ・ウェイスト宣言をした徳島県上勝町の笠松町長の講演を聞く機会を得ました。そこで質問いたします。
1、監視装置についての調査、研究はどこまで進んでいますか。
2、清掃工場のコストの適正化につながるとの評価についての見解は。
3、ゼロ・ウェイストの方向性について、どのように思われますか。
以上、市長に答弁を求めます。よろしくお願いいたします。
31 ◯議長(小山 利幸君) 市長。
〔市長 中村隆象君登壇〕
32 ◯市長(中村 隆象君) 前野議員の御質問、まずは、舞の里多目的ふれあい施設用地についてお答えいたします。
第1点目の、先行取得を依頼した時期につきましては、(仮称)舞の里多目的ふれあい施設整備事業用地として、平成11年10月13日、古賀市土地開発公社に先行取得を依頼しております。
第2点目の、先行取得の目的と施設内容についてお答えいたします。当該施設の構想は、子育て支援及び高齢者対策として活用できる複合施設を整備する方向で計画したものであります。
第3点目の、保育所用地としての計画がつくられた時期及び目的の変更を公社に申し出たかどうかについて、お答えいたします。舞の里への保育所新設計画については、平成13年5月29日に決裁いたしました保育所再編計画によるものであり、古賀市土地開発公社が所有する当該用地へ保育所を新設する計画を公社事務局に事前協議を行いましたのは、平成13年10月5日でございますが、これは目的の変更ではございません。
第4点目の、当該用地の活用については、世代間交流を視野に入れた子育て支援施設として保育所建設を予定しておりましたが、平成16年6月議会の
一般質問において、舞の里への保育所建設を中止した理由としてお答えしておりますように、舞の里4丁目及び5丁目に在住する63%相当に当たる地域住民の方々が、車両通行による学童等の安全確保の懸念から、適地ではないとの判断をされております。したがいまして、当該用地については売却の方向で検討いたしております。
次に、古賀清掃工場の安全管理とコストの適正化のために、についてお答えいたします。
その前に、一言お断りいたします。御承知のように、私は玄界環境組合の組合長も兼務いたしておりますことから、ともすれば、この場を組合議会と勘違いして、古賀市長としての立場を逸脱したような答弁になることが過去にございまして、反省をいたしております。今後は、あくまで古賀市長としての答弁に努めたいと思いますので、よろしく御理解のほどお願いいたします。
第1点目の、監視装置についての調査、研究はどこまで進んでいるかについてお答えいたします。ダイオキシン連続監視装置につきましては、6月議会で、玄界環境組合では、リアルタイムに測定できる装置が開発され、かつJIS規格等、国の法律で認められた場合には導入に向けた検討を行うとの回答があったことから、本市としてはその推移を見守りたいと答弁いたしております。なお、本市におきましても、ダイオキシン類関連の講演会に参加し、調査、研究は行っておりますし、本年7月30日には、玄界環境組合と一緒に市の職員が、連続装置を設置している千葉県の流山市の処理施設を視察したところでございます。
第2点目の、監視装置が清掃工場のコストの適正化につながるとの評価についてはどのように考えるかについてお答えいたします。この点につきましては、玄界環境組合古賀清掃工場の事務事項でございますので、詳細な資料等を持ち合わせておらず、回答できません。ただ、清掃工場の運営等のコストの適正化は当然のことでございますので、今後とも調査、研究についての要請は行っていきたいと考えております。
第3点目の、上勝町の町長が目指しているゼロ・ウェイストの方向について市長はどう思うかについてお答えいたします。上勝町は徳島県徳島市から約1時間の農林業が中心の人口2,200人余りの町で、上勝町では2020年までにごみをゼロにする「ごみゼロ(ゼロ・ウェイスト)宣言」に基づき、さまざまな
取り組みをされていると聞いております。新聞報道では、生ごみはほぼ全戸が処理機を導入して堆肥化し、また分別収集は町内1カ所のごみステーションで34品目に分類し、回収する
取り組みが紹介されております。ごみの減量、リサイクルについては、古賀市のみならず各自治体共通の目標であり、それぞれ
取り組みは異なりますが、古賀市におきましても生ごみ処理機器の購入者には2万円を限度として補助金を出しておりますし、分別収集につきましても、その他プラスチックの分別を順次導入し、
取り組みを進めているところでございます。
33 ◯議長(小山 利幸君) 前野君。
34 ◯議員(4番 前野 早月君) それでは再質問に移ります。
先行取得の依頼については、私と同じ認識でありますので、次の、取得目的と施設内容についてですが、ちょっと概要の説明がありませんでしたけれども、市長は、依頼書に添付されております施設の図面というのは御存じでしょうか。ちょっと答弁をお願いいたします。施設の概要図面がついているんですが、添付資料として。それを御存じかどうか。
35 ◯議長(小山 利幸君) 市長。
36 ◯市長(中村 隆象君) 図面そのものは見ておりません。
37 ◯議長(小山 利幸君) 前野君。
38 ◯議員(4番 前野 早月君) 御存じないということですが、私の持っている資料によりますと、依頼書には添付資料としての施設概要の図面があっておりますので、これは一体のものであると思っております。資料に基づきフリップをつくってきましたので、じゃあ、知らない方が多いようですので見ていただきたいと思います。
これが、先行取得依頼書にある舞の里多目的ふれあい施設の施設内容です。フリップは1階部分しかありませんが、2階建てになっております。1階部分には集会所を初め、会議室、調理室、和室、喫茶コーナー、ふれあいの広場、ふれあいショップまであります。地域コミュニティーの拠点としての、高齢者のみならず、地域住民の交流を目的とした施設展開ではないかと考えます。そして、世代間交流の場として、屋外遊び伝授コーナーも確保されており、外には遊びの場もあります。現在、サンコスモにあるファミリーサポートセンターもここで予定されていたようです。2階は
子どもたちの空間として、図書室、プレイコーナー、ファミコン室まであり、車椅子にも対応できるようエレベーターも設置されております。施設の名称は「舞の里ふれあいセンター」となっています。5年前の先行取得の基本構想によるこの舞の里ふれあいセンターこそが、私は舞の里多目的ふれあい施設だと認識したのですが、答弁をお願いいたします。
39 ◯議長(小山 利幸君) こども政策課長。
40 ◯こども政策課長(吉住 達也君) お答えいたします。多目的ふれあい施設の施設性格につきましては、当然この構想の中におきまして、基本的なコンセプトとしまして、子育て支援、それから地元説明会でもお答えいたしましたように、世代間交流というふうな形での基本的なコンセプトを持って御説明をさしあげたところでございます。
それで、これが保育所というふうな形の中での一定の提起になりましたのは、当然そういったことを踏まえ、そしてまた、以後、市長の方の回答もありましたけれども、保育所再編計画というふうな状況の中で、待機児童の増加であるとか、それからまた、いろいろな特別保育事業の実施というふうな方向性も見えてまいりました。ですから、私どもは、基本的には、俗に言う高齢者との関係の交流、そういったコンセプトも基本的には忘れておりませんし、そういった、今、児童状況を取り巻くものの中での変更として私ども提起をさしあげたところでございますので、その辺は御理解をいただきたいというふうに思います。